日本人は優しい!

日本人はなぜ休めないのか?


ここで日本人はなぜ有給休暇を

取れないかを考えてみたい。

事実から確認しよう。

 

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日本人と休日をめぐる状況

について確認をしておこう。

 

まずは、休日をめぐる国際比較を行いたい。

2016年の年間休日数を日本、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアで比較してみると、日本は138.2日だった。イギリス、フランスは137日と比較すると多いが、ドイツの141日、イタリアの139日と比較するとやや少ない。

年間休日数自体は僅差とみることもできなくはない(休日は1日、1日が重みのあるものだが)。大きな特徴は有給休暇の日数である。日本は18.2日とイギリス、フランス、イタリアの25.0日、ドイツの30.0日と比較すると少ない。その代わりに、週休日以外の休日は15日となっており、ドイツの7日、イギリス、フランスの8日、イタリアの10日と比較すると倍以上に多い。

 

 

より詳しいデータをみてみよう。厚生労働省の「就労条件総合調査」をもとにした、『平成30年版過労死等防止対策白書』のグラフから考える。

日本における有給休暇の取得率は、1992年(平成4年)、1993年(平成5年)に56.1%と、1988年(昭和63年)から2014年(平成27)までの26年間においてはピークとなったが、2000年(平成12年)には49.5%と50%を割った。その後、2004年(平成16年)に46.6%とこの26年間で最低となったあとに回復し、2011年(平成23年)に49.3%となってからは増減を繰り返している。2016年(平成28年)には49.4%となり、2000年代に入ってからは5割以下で推移している。

 

日本人はなぜ休めないのか?
ここで日本人はなぜ有給休暇を取れないかを考えてみたい。事実から確認しよう。

日本人と休日をめぐる状況について確認をしておこう。まずは、休日をめぐる国際比較を行いたい。2016年の年間休日数を日本、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアで比較してみると、日本は138.2日だった。イギリス、フランスは137日と比較すると多いが、ドイツの141日、イタリアの139日と比較するとやや少ない。

年間休日数自体は僅差とみることもできなくはない(休日は1日、1日が重みのあるものだが)。大きな特徴は有給休暇の日数である。日本は18.2日とイギリス、フランス、イタリアの25.0日、ドイツの30.0日と比較すると少ない。その代わりに、週休日以外の休日は15日となっており、ドイツの7日、イギリス、フランスの8日、イタリアの10日と比較すると倍以上に多い。

 

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より詳しいデータをみてみよう。厚生労働省の「就労条件総合調査」をもとにした、『平成30年版過労死等防止対策白書』のグラフから考える。

日本における有給休暇の取得率は、1992年(平成4年)、1993年(平成5年)に56.1%と、1988年(昭和63年)から2014年(平成27)までの26年間においてはピークとなったが、2000年(平成12年)には49.5%と50%を割った。その後、2004年(平成16年)に46.6%とこの26年間で最低となったあとに回復し、2011年(平成23年)に49.3%となってからは増減を繰り返している。2016年(平成28年)には49.4%となり、2000年代に入ってからは5割以下で推移している。

 

 

なお、有給取得率は従業員数が多いほど高くなっている。2016年(平成28年)のデータでは、従業員数1000人以上の企業が55.3%、300〜999人の企業が48.0%、100〜299人が46.5%、30〜99人が43.8%である。

 

 

産業別にも違いがある。「電気・ガス・熱供給・水道業」の71.8%、「複合サービス事業」の64.6%、「情報通信業」の58.9%が高い。逆に「宿泊業、飲食サービス業」が32.8%、「卸売業、小売業」が34.9%、「教育、学習支援業」が37.2%と、年次有給休暇取得率が低くなっている。

 

 

このように、年次有給休暇の取得日数は少なく、祝日が多いというのが日本の特徴である。企業規模(従業員数)や、産業による差もある。まずはこの現状を把握しておきたい。

 

休ませるための制度は評価するべきなのか?
私は日本人の休み方(これは働き方とも連動しているが)の大きな問題点は、自由に、柔軟に休むことができないことにあると考えている。トータルの年間休日日数は他国に比べて、やや少ない。ただ、これ以上に有給休暇を十分に、かつ自由に、柔軟に取得することができる国にしなければならないと私は考える。

有給休暇が取りにくい理由は何か。そのハードルは、仕事の絶対量や役割分担、チームで働いていること、休みにくい雰囲気(上司や同僚への配慮)、人手不足などにあるのではないか。

有給取得率の向上という意味では、4月からルールが変わることを確認しておきたい。年間10日以上の有給休暇を取得している労働者に対して、付与日から1年の間に最低5日間は取得させなければならなくなった。なお、休ませなければ使用者には罰則規定がある。この最低5日休む分に関しては「労働者が休む」のではなく「労働者に休ませる」という世界観への転換を意味する。

 


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働きすぎの是正が課題となっている中、これはなんとしてでも労働者に休ませるという意味では、前進といえる。休ませなければならない環境になったがゆえに、使用者や労働者ともに、仕事の量、役割分担などを見直す機会にはなる。

ただ、これはややうがった見方をするならば「後退」とも言える部分がある。労働者がより休むことは重要ではあるが、逆に「どうせ、有給休暇は取れないから、休む日は決めてしまおう」とも捉えられる。「三歩進んで二歩下がる」状態とも言えないか。

なお、これまでも有給休暇の取得率が高い企業というものもあった。たとえば、会社員時代に合弁事業でつながりのあったトヨタ自動車では、有給を完全に取得することが促されていて、計画的に消化していた。確実に休ませる仕組みと運用に感心した。ただ、理想は従業員が柔軟に、好きなときに取得し、100%取得することではないだろうか。

労働者が確実に休むことを促す意味でも、休むことに理解を広めること、働き方を見直す上でも、有給取得義務化は前進ではある。ただ、自由で柔軟な休み方とは逆行したものだと言える。